高齢者のお風呂リフォーム|安全な浴室にするポイント・費用・介護保険を解説

高齢者のお風呂リフォームでは、入浴時の一連の動作を確認しながら安全な環境を整えることが大切です。
とくに冬場は、転倒だけでなく、暖かい居室と脱衣所・浴室との温度差による「ヒートショック」にも注意する必要があります。
ヒートショックとは、急な温度変化によって血圧が大きく変動し、身体に負担がかかることです。
また、工事の内容や条件によっては、介護保険の住宅改修や自治体の補助制度を利用できる場合があります。
介護保険は原則として工事前の申請が必要なため、リフォームを始める前に利用条件や手続きの流れを確認しておきましょう。
今回は、栃木県で多くのご家族のリフォームをサポートしてきた「とちぎリフォーム」が、高齢者のお風呂リフォームについて解説します。
栃木で高齢者向けのお風呂リフォームをご検討中の方は、とちぎリフォームにお気軽にご相談ください。
ご自宅の浴室を確認したうえで、現在のお悩みや将来の暮らしに合わせたリフォームをご提案します。
高齢者の浴室に潜む3つのリスク

はじめに、高齢者の入浴で気をつけたい3つのリスクを確認しておきましょう。
浴室では、濡れた床での転倒や冬場の急な温度変化など、日常生活のなかでも注意したい場面があります。
今は1人で問題なく入浴できていても、年齢とともに身体の動かし方が変わり、以前は気にならなかった段差や浴槽の高さが負担になることもあります。
濡れた床や段差による転倒
浴室で転びやすいのは、以下のような場面です。
- 石けんや水で濡れて滑りやすくなった床を歩く
- 脱衣所と浴室のあいだの段差をまたぐ
- 浴槽をまたいで出入りするとき
- 洗い場での立ち座り
とくに浴槽をまたぐときは、一時的に片足で体を支えるため、バランスを崩しやすい動作です。
「最近、浴槽をまたぐときに壁へ手をつくようになった」など、以前と入浴時の動きが変わっていないか確認してみましょう。
浴室と脱衣所の温度差(ヒートショック)
冬の浴室で心配なのが、急な温度差による体への負担です。
暖房の効いた部屋から寒い脱衣所や浴室へ移ると、血圧が大きく上下します。
これがヒートショックで、高齢の方では重い事故につながることもあります。
栃木県の小山市では、1月の平均気温の平年値が4.4℃です。
1月上旬から下旬にかけての日最低気温も、平年値で−1.9℃前後まで下がります。
〈出典〉気象庁ホームページ:「過去の気象データ検索」栃木県小山市・2025年・1月・2025年の月ごとの値を表示を指定
そのため、冬のお風呂では屋外の寒さだけでなく、暖房のない脱衣所や浴室の冷えにも目を向けることが大切です。
入浴介助をする家族の負担
高齢者のお風呂では、本人だけでなく、入浴を手伝うご家族に負担がかかる場合もあります。
とくに問題になるのが、十分なスペースがないと介助する側も動きにくくなる、以下のような場面です。
- 狭い洗い場で体を支える
- 浴槽をまたぐ動作を手伝う
- 浴室の扉を開閉しながら出入りする
今は問題なくても、この先を見すえておくと、いざというときに慌てずにすみます。
高齢者のお風呂リフォームで検討したい6つの工事

「何から手をつければいいのか」と迷う方も多いと思います。
高齢者のお風呂リフォームでよく検討される工事は以下のとおりです。
| 工事内容 | 目的 |
|---|---|
| 手すりの設置 | 移動・立ち座りを支える |
| 段差解消 | つまずきを防ぐ |
| 床材変更 | 滑りにくくする |
| 浴槽交換 | またぎやすくする |
| 暖房・断熱 | 寒さ・温度差を抑える |
| 扉交換 | 出入り・介助をしやすくする |
それぞれの工事で押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
手すりを設置する
手すりは、数を増やせば安心というものではありません。
実際にご本人が浴室でどう動くかを見て、立ち上がる場所やまたぐ場所など、体を支えたいポイントに絞って付けるのがコツです。
【例】
- 出入り口前の壁
- シャワーの横
- 浴槽から出る際につかまれる場所
- 浴槽の内部
必要以上に設置すると、かえって動線を狭めたり、掃除がしにくくなったりする場合もあるため注意しましょう。
浴室入口の段差を解消する
段差をなくすときは、床の水はけもセットで考えておくと安心です。
ただ平らにするだけだと、洗い場の水が脱衣所へ流れ出てしまうことがあります。
水が流れる向きや床の勾配まで含めて相談しておくと、あとで困らずにすみます。
滑りにくい床へ変更する
床材は滑りにくさに加えて、冬場に足元が冷たくなりにくいか、汚れを落としやすいかも確認して選びましょう。
素足で立ったときの感触は、ショールームなどで確かめるのがおすすめです。
またぎやすい浴槽へ交換する
浴槽のまたぎの高さは、30〜40cm程度がひとつの目安とされています。
また、浴槽の形状も確認しておきたいポイントです。
半埋め込み式や腰掛けられるベンチ付きなど、出入りをしやすくするタイプもあります。
またぐ・座る・立ち上がるという一連の動きが無理なくできるかを、あわせて見ておきましょう。
バリアフリーな浴槽にするためのまたぎの高さはこちらの記事で詳しく解説しています。
〈関連ページ〉バリアフリーな浴槽にするためのまたぎの高さ|安心して入浴できるリフォーム方法と費用
浴室暖房・断熱で寒さを改善する
高齢者のお風呂リフォームでは、転倒対策とあわせて、浴室や脱衣所の寒さにも目を向けましょう。
浴室や脱衣所の温度差を小さくすることは、ヒートショック対策にもつながります。
お風呂の寒さを改善する方法には、以下のようなものがあります。
- 浴室を暖める:浴室暖房乾燥機を設置し、入浴前から室内を暖めておく
- 窓からの冷気を抑える:内窓の設置や断熱性の高い窓への交換を検討する
- 浴室全体の断熱性を高める:床・壁・天井の断熱や、断熱性の高いユニットバスへの交換を検討する
また、見落としたくないのが、服を脱ぐ「脱衣所」の寒さです。
浴室だけを暖めても、脱衣所が寒ければ入浴前後に大きな温度差が生まれることがあります。
脱衣所にも暖房を取り入れる、窓の断熱性を高めるといった方法をあわせて検討しましょう。
お風呂の寒さ対策は浴室だけで完結させず、「居室→脱衣所→浴室」と移動する間の温度差を小さくする視点が大切です。
開き戸を引き戸・折れ戸へ変更する
浴室の扉は、引き戸や折れ戸への交換も検討しましょう。
浴室内で万が一転倒した場合、内開きの扉では倒れた人が扉をふさぎ、外から開けにくくなることがあります。
引き戸や折れ戸にしておくと、出入りも介助も、いざというときの対応もしやすくなります。
また、入浴時に家族の介助が必要な場合は、洗い場の広さも確認しておきましょう。
現在の浴室では介助する人が動きにくい場合、浴室を広げる方法もあります。
栃木県で高齢者のお風呂リフォームをご検討中の方は、とちぎリフォームへご相談ください。
現地調査からプランのご提案、介護保険や補助金のご相談まで承っています。
高齢者のお風呂リフォームにかかる費用相場

お風呂リフォームの費用は、工事の内容や浴室の状態、選ぶ商品のグレードによって大きく変わります。
工事ごとの一般的な費用相場は、以下のとおりです。
| 工事内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 手すりの設置 | 2万〜5万円 |
| 段差の解消 | 5万〜10万円 |
| 床材の変更 | 10万~20万円 |
| 扉の交換 | 6万〜20万円 |
| 浴室暖房乾燥機の設置 | 15万〜40万円 |
| 浴槽の交換 | 30万〜80万円 |
| バリアフリー仕様のユニットバス交換 | 65万〜150万円 |
※上記は一般的な費用の目安です。実際の費用は、現在の浴室の状態や選ぶ設備、施工範囲などによって異なります。
水回りのリノベーション費用の目安は、以下の記事でも紹介しています。
〈関連ページ〉水回りのリノベーション費用とは|2点セット・3点セット・4点セットの相場や施工例を紹介
高齢者のお風呂リフォームに使える介護保険と補助金

高齢者のお風呂リフォームでは、条件を満たすと介護保険の「住宅改修費」の支給を受けられる場合があります。
ただし、すべての工事が対象になるわけではありません。
ここでは、介護保険の対象になる工事や補助金についてご紹介します。
介護保険の住宅改修で対象になる工事
介護保険の住宅改修は、要支援・要介護の認定を受けた方が対象で、厚生労働省が定めた工事の種類が決まっています。
お風呂まわりでは、主に以下のような工事が対象です。
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 滑り防止などを目的とした床材の変更
- 引き戸などへの扉の取り替え
- 上記の工事に付帯して必要な工事
対象になる工事の費用は、20万円を上限に、所得に応じて7〜9割が支給されます(自己負担は1〜3割)。
ただし、同じ工事でも目的や施工内容によって対象となる範囲が異なる場合があります。
実際に利用できるかどうかは、工事を始める前にケアマネジャーやお住まいの市区町村へ確認しましょう。
〈出典〉厚生労働省ホームページ:福祉用具・住宅改修「介護保険制度における住宅改修の概要」
介護保険を利用するときは工事前に申請する
介護保険の住宅改修は、工事を始める前に市区町村へ申請するのが原則です。
基本的な流れは、以下のとおりです。
| 住宅改修の流れ |
|---|
| 1. ケアマネジャー等に相談 ↓ 2. 施工事業者の選択・見積もり依頼 ↓ 3. 市町村へ「工事前」に申請 ↓ 4. 市町村は内容を確認し、結果が通知される ↓ 5. 改修工事の施工→完成/施工業者へ支払 ↓ 6. 市町村へ「工事後」に改修費の支給申請 ↓ 7. 住宅改修費の支給額の決定・支給 |
〈出典〉厚生労働省ホームページ:福祉用具・住宅改修「介護保険制度における住宅改修の概要」
工事を始めてから申請しても、支給を受けられない可能性があるため注意しましょう。
介護保険以外に使える補助金も確認する
介護保険だけではカバーできない工事でも、国や自治体の別の補助金を利用できる場合があります。
たとえば、浴室や脱衣所の断熱、窓のリフォーム、省エネ性能の高い給湯器への交換などです。
【国の省エネ補助】
国の補助金は、住まいの省エネ化を目的としたものです。
2026年の国の省エネ関連事業では、制度ごとに条件を満たすと、以下のような工事が補助対象となる場合があります。
- 高断熱浴槽などを含む省エネ改修
- 内窓の設置や断熱性の高い窓への交換
- エコキュートなどの高効率給湯器への交換
ただし国の省エネ補助では、窓の断熱改修などを組み合わせることが申請の条件になる制度もあります。
お風呂の工事だけでは対象にならない場合があるため、対象になるかを事前に確認しましょう。
なお、一定のバリアフリー改修では、所得税の控除や固定資産税の減額を受けられる場合もあります。
ただし、制度の内容や受付期間は年度ごとに変わり、予算に達すると早めに終了することもあります。
検討を始めた段階で、各制度の公式サイトから最新の情報を確認しておきましょう。
詳しい補助金については、以下の記事で解説しています。
〈関連ページ〉2026年のリノベ補助金が決定|継続の窓リノベ補助金、新設のみらいエコ住宅2026事業など最新情報を解説
【自治体の補助金】
お住まいの市町村でも、独自の助成制度を設けている場合があります。
以下の点を確認しておきましょう。
- 住宅改修やバリアフリー化に使える助成があるか
- 対象になる人・工事・年度の条件
- 申請の期限や必要な書類
どの制度が使えるかは、住んでいる地域やお住まいの状況によって変わります。
利用できる制度が分からない場合は、お住まいの市町村の窓口やリフォーム会社へ確認しましょう。
補助金を活用したリノベーションを検討中の方は、とちぎリフォームへご相談ください。
高齢者のお風呂リフォーム事例|栃木県での施工事例を紹介

ここでは、とちぎリフォームが実際に手がけたお風呂リフォームの施工事例を紹介します。
段差と寒さを解消したお風呂リフォーム
築18年のお住まいで、見た目はきれいでも、床の段差や浴槽のまたぎ、冬場の寒さが気になっていたお宅の事例です。
リフォームでは、保温性の高いユニットバスへ入れ替えました。

床は以前より段差の少ないフラットな仕上がりになっています。
あわせて換気暖房乾燥機も設置し、冬場の寒さにも配慮した浴室になりました。

〈関連ページ〉築18年。きれいには見えますが、 ところどころに経年の汚れが目立ちます。 新しいユニットバスは、保温力抜群。さらに暖かく快適に。
将来に備えて浴室の段差などを解消したバリアフリーリフォーム
「これからも自宅で安心して暮らしたい」と考え、お風呂だけでなく住まい全体を見直したお宅の事例です。
ご夫婦の今後の暮らしやすさを考えて、浴室の段差や玄関の段差、トイレの広さなどをまとめて解消しました。


窓やサッシの入れ替え、床・壁・天井の断熱もあわせて行い、家全体が冬でも過ごしやすくなっています。
お風呂の工事をきっかけに、「その先の暮らし」まで見すえて住まいを整えたい方の参考になる事例です。
〈関連ページ〉将来に備えたバリアフリーリフォーム
とちぎリフォームには、今回紹介しきれなかった事例がまだたくさんあります。ぜひごらんください。
高齢者のお風呂リフォームに関するよくある質問

高齢者のお風呂リフォームを検討する際によくある疑問について回答します。
Q:お風呂リフォームの工事期間はどれくらいかかりますか?
A:工事の内容によって異なりますが、部分的な工事なら1日程度、浴室全体のリフォームでは数日〜1週間程度が目安です。
手すりの設置などは短期間で終わることがありますが、ユニットバスの交換や在来浴室からの変更では、解体や配管、下地工事などが必要になります。
現在の浴室の状態によっても工期は変わるため、現地調査の際に確認しておきましょう。
Q:工事のあいだ、お風呂に入れない期間はどうすればいいですか?
A:浴室を使用できない期間は、銭湯や親族宅など、別の場所で入浴する方法をあらかじめ考えておきましょう。
工事を依頼する際に浴室を使えない日数を確認し、ご本人の身体の状態も考えながら無理のない入浴方法を準備しておくと安心です。
Q:高齢者のお風呂リフォームは何歳ごろから考えるべきですか?
A:年齢だけで決めるのではなく、入浴時に不安や負担を感じるようになったタイミングで検討するのがおすすめです。
「浴槽をまたぐときに壁へ手をつくようになった」「立ち上がるのが大変になった」など、以前と動き方が変わってきたら、浴室を見直すきっかけになります。
介助が必要になってからではなく、1人で入浴できるうちに将来を見すえて検討する方法もあります。
60代が参考にしたいリフォームについては、以下の記事も参考にしてください。
〈関連ページ〉60代が参考にしたいリフォーム実例|リフォームのポイントや種類、標準工期について解説
まとめ
今回は、高齢者のお風呂リフォームで検討したい工事や費用相場、介護保険・補助金について解説してきました。
安全で快適な浴室を整えるには、手すりだけに頼らず、段差や床、浴槽、そして冬場の寒さまで、入浴の一連の動作を通してまとめて見直すことが大切です。
部分的なリフォームで対応できるのか、浴室全体を交換したほうがよいのかは、現在のお風呂の状態やご本人が感じている不便に合わせて検討しましょう。
また、介護保険や補助金を利用する場合は、対象となる工事や申請方法を着工前に確認しておく必要があります。
今回の内容が、ご本人やご家族が安心して入浴できるお風呂づくりの参考になれば幸いです。